1.一般用語
(1)水循環
一般的には海水が蒸発し雲となり雨を降らせ、雨水が大地にしみ込み、地下水や河川水になって流れ、さまざま
な形で人々に利用されて、再び海に戻る水の循環。特に、都市域では自然が本来持っている水の循環の経路が、
上水道や下水道などの給排水施設の影響を大きく受けており、自然系だけではなく人工系も含めた水の循環系(シ
ステム)として捉えられる。
(2)保水機能
雨水を地中に浸透させ、または一時的に滞留する機能をいう。
(3)浸透域
雨水を地中に浸透する地域で、山地、丘陵、畑等が該当する。
(4)不浸透域
雨水が地中に浸透しないで流出する地域で、道路、屋根等が該当する。
(5)平常流量
降水のない期間にも、継続して存在する河川の流量。これは水文学的には低水流量として表されることが多く、都
市の河川では自然系の流出成分と人工系の流出成分で構成されている。
(6)自然系の流出区分
自然現象としての水の循環の中で河川に流出するもの。一般的には雨水の流出および雨水の一部が地中に浸透
して地下水として蓄えられたものが徐々に川に流出する流出成分をいう。
(7)人工系の流出区分
人間の社会活動にともなう人工的な水の循環の中で河川に流出するもの。一般的には上下水道等の給排水シス
テムを通して河川に放流された流出成分をいう。
(8)流出抑制
雨水が河川や下水道に直接的に流出しないようにすること。これにより、下流河川等に対する洪水負担が軽減さ
れる。
(9)拡水法
雨水を地表あるいは地下の浅い所から不飽和土壌水帯を通して地中に浸透させる方法で、浸透トレンチや浸透ま
すなどがこれに該当する。
(10)井戸法
井戸により雨水を地中の帯水層に集中的に浸透させる方法をいう。井戸内に地下水面が存在しない井戸を乾式井
戸、地下水中に達する井戸を湿式井戸という。
(11)流出抑制施設
流出抑制を目的として設置される施設で貯留施設と浸透施設に大別される。貯留施設はオフサイト貯留とオンサイ
ト貯留に分類され、浸透施設は拡水法と井戸法に分類される。
(12)オフサイト貯留
河川、下水道、水路等によって雨水を集水した後でこれを貯留し、流出を抑制するもの。遊水池、防災調節池が
これに当たる。
(13)オンサイト貯留
雨水の移動を最小限におさえ、雨が降った場所(現地)で貯留し、雨水の流出を抑制するもので現地貯留とも呼
ぶ。公園、運動場、駐車場、集合住宅の棟間等の流域貯留施設あるいは、各戸貯留施設等がこれに当たる。
(14)浸透施設
雨水を拡水法により浸透させる施設で、浸透ます、道路浸透ます、浸透トレンチ、浸透側溝、透水性)舗装、空隙
貯留浸透施設がこれに当たる。なお、井戸法による浸透施設は本指針の適用施設とはしていない。
(15)浸透ます
透水性のますの周辺を充填材などで充填し、集水した雨水を側面および底面から地中へ浸透させる施設をいう。
(16)道路浸透ます
道路排水を対象に浸透ますと浸透トレンチを組み合わせた施設をいう。
(17)浸透トレンチ
掘削した溝に砕石を充填し、さらにこの中に浸透ますと連結された有孔管を設置することにより雨水を導き、充填
材の側面および底面から地中へ浸透させる施設をいう。
(18)浸透側溝
側溝の周辺を砕石で充填し、雨水を側面および底面から地中へ浸透させる側溝類をいう。
(19)透水性舗装
雨水を直接透水性の舗装体に浸透させ、路床の浸透能力により雨水を地中へ浸透させる舗装をいう。舗装体の貯
留による流出抑制機能を期待する場合もある。
(20)透水性平板
透水性のコンクリート平板および目地を通して雨水を地中へ浸透させる機能を持つ舗装である。浸透原理は透水
性舗装と同じである。
(21)浸透池
貯留施設の底面から貯留水を地中へ浸透させるもので、貯留による洪水調節機能と浸透による流出抑制機能の
両機能を併せもった施設をいう。
(22)砕石空隙貯留浸透施設
地下の砕石層へ雨水を導き貯留するとともに、側面および底面から地中へ浸透させる施設をいう。